日本語でよく使われる二つの用語、「野生」と「野性」。
発音が同じですが、そのニュアンスには確かに違いがあります。
当記事では、「野生」と「野性の意味や使い分けの例文、言葉の違いについて解説します。
目次
「野生」の意味と使い分けの例
「野生」という言葉は、主に動植物が自然環境下で人間の手を借りずに生きていく様子を指します。
この用語は、自然界における生命の状態を表すのに使われ、特に人間の介入や飼育、栽培等から自由な状態を意味します。
例えば、
「野生の動物」
と言えば、動物園や家庭など人間の管理下にない、自然界で生息する動物を指します。
- 例文1:この島には多くの野生の鳥が生息している。
- 例文2:野生の花が道端に咲いていて、とても美しかった。
「野性」の意味と使い分けの例
一方で「野性」という言葉は、生物だけでなく人間の性質や本能にも使われることがあります。
この言葉は、文明や社会的な制約からの自由さ、本能的で原始的な力やエネルギーを表現するのに用いられることが多いです。
例えば、
「彼には野性的な魅力がある」
といった表現で、人間の原始的な強さやエネルギーを感じさせる状況を描写することに使われます。
- 例文1:そのダンサーの動きには野性的な美しさがあった。
- 例文2:そのアーティストの作品には野性的なエネルギーが溢れている。
「野生」と「野性の相違点
これら二つの用語の主な違いは、その使用範囲と表現の対象にあります。
「野生」は、具体的な生物の生存状態を指し、自然環境下での生命のあり方を指します。
対して「野性」は、もっと抽象的な概念で、人間を含むあらゆる生き物の内面的な野生性や原始的な力を指すことが多く、感情や行動の特性を述べる際に使用されます。