共通して「おちいる」と発音される「陥る」と「落ち入る」という言葉。
両方の言葉とも同じ発音なので、どのように使い分ければいいのか悩む方もいるかもしれません。
本記事では、「陥る」と「落ち入る」の意味や使い分けの例文、言葉の違いを説明します。
目次
「陥る」の意味と使い分けの例
「陥る」という表現は、主に何らかの困難な状態・状況に、無意識にまたは不可避的に入り込むことを意味します。
この言葉は、否定的な意味合いを持ち、トラブルや問題、困難などに「陥る」状況を示しています。
そして、経済的、社会的、または精神的な否定的な状況に自らが置かれる状態を強調する場合に用いられます。
- 例文1:彼は経済的な困難に陥り、生活が一変した。
- 例文2:試験のプレッシャーで、彼女は深刻な不安に陥った。
- 例文3:彼は誤解に陥り、友人を失ってしまった。
「落ち入る」の意味と使い分けの例
「落ち入る」という表現は、感情的または抽象的な「場所」に入ることを指します。
そして、何らかの問題のある状況や厄介な状態に自分自身を見つけることも暗示しています。
しかし、「陥る」と比べてやや古風で文学的な響きがあり、現代日本語の日常会話ではあまり一般的ではないかもしれません。
感情的または心象風景的な状態に深く没入する意味で使われることが多く、内面的な体験や心理的な過程を表現するのに適しています。
- 例文1:彼は考え込むとすぐに瞑想の世界に落ち入る。
- 例文2:彼女は小説を読み始めると、すぐに物語の世界に落ち入る。
- 例文3:その悲劇的なニュースを聞いて、彼は悲しみに落ち入った。
「陥る」と「落ち入る」の相違点
「陥る」と「落ち入る」は、どちらも同じ発音ですが、使われる文脈や意味に違いがあります。
簡単に違いをまとめると、下記の通りです。
「陥る」
- 現代日本語でよく使用される
- 社会的、または経済的な不利な状況に巻き込まれることを指す
「落ち入る」
- 文学的な文脈や詩的表現で見られることが多い
- 感情的な深みや心理的な過程を指し示す
このように、二つの用語は似ているようでいて、使われる文脈や表現の深さが異なることがわかります。