「損なう」と「損ねる」という二つの表現。
いずれも何かが不利益を被ることを意味するため、使い方で悩んでしまう方もいるかもしれません。
そこで当記事では、「損なう」と「損ねる」の意味や使い分けの例文、言葉の違いについて解説します。
目次
「損なう」の意味と使い分けの例文
「損なう」という言葉の意味
「損なう」は、何かの価値や品質を低下させてしまうことを意味します。
物理的、または抽象的なものの質や状態が低下する時に使われることが多いです。
この言葉は、一般的に「関係」、「評判」など、広範囲にわたる対象に使用されます。
また、失敗によって何かを害することも指す場合があります。
「損なう」の使い分けの例文
- 例文1：無責任な発言が彼の評判を損なった。
- 例文2：長期間の放置でその機械の性能を損なってしまった。
- 例文3：保存方法が悪いと、食品の品質を損なうことがある。
「損ねる」の意味と使い分けの例文
「損ねる」という言葉の意味
「損ねる」もまた何かの価値や状態を悪くするという意味で使われます。
ただ、こちらは特に「人間関係」や「チャンス」、「機会」などの抽象的なものに対して使われることが多いです。
また、自分の行動によって他人の感情や期待を裏切るという意味で使われることもあります。
「損ねる」の使い分けの例文
- 例文1：彼女の無神経なコメントが彼の気持ちを損ねてしまった。
- 例文2：その小さなミスが彼の昇進のチャンスを損ねてしまった。
- 例文3：遅刻が彼の学校での評価を損ねた。
「損なう」と「損ねる」の相違点
「損なう」と「損ねる」の違いを簡単にまとめると、次の通りです。
「損なう」
信用、価値、効率など、物理的・抽象的な対象全般に対して使用される
「損ねる」
人間関係や感情、機会などの抽象的なものに対して使われる
基本的に意味は同じですが、「損ねる」の方は「損なう」よりも限定的に使われる可能性があります。
なので、前後の文脈によっては、使い分けをした方がいいかもしれません。